2011年1月26日水曜日

1年以上前から「兆し」把握も支援後手に、戸塚区?男児虐待で児相/横浜

 横浜市戸塚区で小学5年の男児(11)が父親(34)と同居する女(36)に殴られ全身にけがを負った事件で、男児が通う小学校や同市南部児童相談所(児相)などが1年以上前に虐待の兆しを把握しながら、支援が後手に回っていたことが分かった。男児の登校日数は昨年度が約50日、今年4月以降はわずか10日程度。顔にあざもあったが、学校や児相が虐待との認識で一致したのは、父らが傷害容疑で逮捕される直前の7月上旬だった。男児は戸塚署に「木刀などで殴られるようになった」と最近になって暴行がエスカレートしていたことを明かしており、学校や児相は対応の甘さを認めている。

 23日昼前、男児は自宅アパート近くのコンビニで焼きおにぎりとさけおにぎり、コロッケパンを握りしめ、トイレに入ったのを客に目撃された。これが2人の逮捕のきっかけとなった。10分後、トイレから出てきた男児に店員が声を掛けた。

 男児は青いTシャツ、短パン、左右ふぞろいのサンダルを履いていた。「ちょっとシャツをめくってみて」。駆け付けた戸塚署員が促した。治りかけた黄色のあざ、直近にできたとみられる青いあざがシャツに隠された部分のほとんどを覆っていた。立ち会った男性店長(52)はいたたまれず、目をそらした。

 「これまでに3回ぐらい食べた」。男児は署員にしゃくり上げながら話した。

 罪悪感にさいなまれながら焦って口に入れたのだろうか。店長によると、おにぎりやパンの食べ残しや包装が個室トイレのごみ箱に捨てられていたことが、1カ月ほど前から数回あった。「おにぎりを残してしまうほど、食が細っていたのかもしれない。万引を注意するのが悲しかった」。この日も、1個のおにぎりが半分、ごみ箱に残っていた。

■「異変」通報も
 男児の異変に気付いていた人はいた。同児相によると、小学校から「親が手を上げているようだ」といった内容の電話が最初にあったのは昨年4月。しかし、正式な通報ではなく、「情報提供」との位置付けだった。学校はその後も情報提供を重ねたが、「顔のあざについては『子ども同士でけんかしたため』と聞いていた。騒ぎ立てると、親を刺激してしまうと考えた」と校長は釈明した。

 通報したのは、今年7月6日。6月下旬に戸塚区のコンビニに、はだしでいた男児が迷子として保護されたのが契機だった。

 だが、通報を受けた児相の動きは鈍く、男児宅への訪問や父らからの聞き取りはしなかった。桑折良一所長は「学校が親とコンタクトしていたので、すぐに訪問すると、関係を崩しかねないと判断した」と理由を説明する一方で、「しかるべき対応を取ればよかった」と反省を口にした。

■当惑する住民
 男児への虐待を察知していた住民もいた。近くに住む夫婦は「1年前、あざだらけで真っ青な顔をした男児を見た。『どうしたの』と聞いたが、首を横に振って行ってしまった。学校には連絡したのに」と明かす。

 男児が急に丸刈りになったり、開け放たれたドアから怒鳴り声が聞こえたりするのを不審に思っていた人もいた。一方で、「虐待の兆候は確かにあったが、どうかかわればよかったのか」と悩む住民もいた。

 父らの逮捕後、男児は同居していた6?10歳の子ども4人とともに児相に保護された。ボール遊びをするなど、徐々に元気を取り戻しているという。

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